予後を見ると、1年未満と書いてあった。そのくらいだろうと予想してはいたが、紙に文字で書かれたもので見ると、結構ショックだった。予後には、個人差があり、多くの人は医者の予想より多少長生きをするらしいとはいえ、予後1年未満と言われた人が3年生きる可能性は極めて低い。
ということもあり、痛みがひどくなり、歩けなくなり、一人暮らしが介護保険のサービスを受けていても困難になりそうな、遠くない将来のことを考え、ホスピスを見学に行った。ホスピスはがん治療は行わず、緩和治療、痛み止めの治療に特化した医療機関だが、とにかく数が少なく、関東では入院は数ヶ月待ちらしい。
ホスピスそのものが始めてだったので、施設見学を兼ねて、家の近所(とはいえ、1時間はかかる)のホスピスに出かけた。見掛けは豪華。内装も古いホテルのよう。医療のレベルは知らないが、居心地は悪くなさそうだった。問題は入れるかどうか。何せ11床しかない。自分の入りたい時期に空いていることは稀有。長く入りたくはないが、空いていますと言われたときに入らず、入院を先延ばししすぎると、結局入れない。
今の病院の治験が続けられる限りは、ホスピスには入れないから、治験終了後、自宅での療養を経て、体が動かなくなる、痛みがコントロールできなくなることの様子を見つつ、最後の人生へと踏み出すことになる。
いつまで今の治験が続けられるか、いつまで今の痛みのコントロールができるか、麻痺がどこまで進むか、によるだろう。できれば、今年の秋よりも先であって欲しい。
帰り道、同行してくれた姉からお墓の話が出た。家のお墓は田舎にあるのだが、遠く不便なため、新しい墓を買ったらどうか、とのこと。僕も、姉が相続することになる僕の自宅に、姉の子供夫妻が住んでくれたら嬉しいが、どうだろうという話をした。とりとめのない結論の出ない話。もう二度とするかどうかも分からない、しかし今まではしたことのない、踏み込んだ話。話しているうちに、涙が止まらなくなってしまった。
来年の正月をどこで過すことになるのか、生きているのか、頭の判断のできる今のうちに、財産の整理をしたり、家財の処分をしたりしようと思うが、今の体で出来るかどうか。悩ましいところ。
死ぬまでに登りたかった大山。病院の窓からの景色。
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