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2012年7月17日火曜日

タキソテール(ドセタキセル)の副作用

8月上旬に、新しい前立腺癌の薬の治験のスクリーニングを受けられることになった。色々な条件があり、例えば脳に転移があれば治験はだめなど、細かい規定があり、それに合致するかどうか、相当数の検査を受けなければならない。MRIも骨シンチも最近主治医の所で受けたばかりなのだけれども、それは流用できず、治験用に新たに受ける必要がある。

また、スクリーニングの1月前には、他の抗がん剤治療は全て止めていなければならないという条件があるため、ペプチドワクチンは一時中止、ドセタキセルは投与中止をお願いした。ステロイド剤もプレドニゾロンは急に止めると悪影響があるということなので、徐々に減らし止めることになった。一方、ゾメターは直接前立腺癌の治療に関係しないため、続けた方が良いのだそうだ。ややこしい。ドセタキセルは、前回の投与から、治験開始まで2ヶ月近く間があいてしまうので、無治療期間が出てくる。PSAは当然上昇するだろうが、治験薬のメリットの方が大きいと思ったので、気にしないことにした。

ドセタキセル投与から3週間たち、そろそろ副作用が終わる頃かと思って楽しみにしていた。ところが、副作用はひどくなる一方で、筋肉痛、歩行障害、手足の痺れが続いている。頭痛もある。しぶとい薬だ。効いてないのにさ。

がんサポートによると、ドセタキセルの副作用は、以下の3種類とのこと。

 もっとも一般的な副作用
・感染リスクの増加を伴う白血球の減少
・出血リスクの増加を伴う血小板の減少
・髪が薄くなるまたは抜ける
・足首や手のむくみ
・下痢
・食欲不振
・悪心・嘔吐
・発疹
・末梢神経の炎症またはダメージによる手足のしびれ及びうずき


それほど一般的でない副作用
・口や唇のただれ
・水分貯留による体重増加
・疲労
・筋肉痛
・間質性肺炎

まれな副作用
・深刻なアレルギー反応
・手足の赤み、腫れ及び痛み


クール毎の差、個人差が大きいので、あくまで私個人の経験ということになる。私の経験した、今も経験している副作用は以下のとおり。太字は私にとって、とっても深刻なもの。

白血球の減少→クール毎に見られた。ひどい感染症には今のところなっていない。
血小板の減少→徐々に影響が出て、内出血をしやすくなった。正座をすると、膝が内出血であざだらけ。肘を足につく(考える人のようなポーズ)と、足が内出血で赤くなる、など。
髪が抜ける→全身のあらゆる髪が抜けた。睫毛が抜けたため、目にゴミが入りやすく、毛穴がないため、油が溜まりやすい。
・手首や手のむくみ→それほどでない。

下痢→ひどい。投与後1~2週間続く。体重が5キロ程度落ちる、トイレから離れられない(外出できない)。
・食欲不振→経験していない。体重が落ちたら、その後沢山食べて戻している。
悪心・嘔吐→悪心はひどい。いつも気持ちが悪い。でも段々慣れた。嘔吐は、吐き気止めが効いているようだ。
・発疹→経験していない。
手足のしびれ及びうずき→歩行障害になるくらい痺れている。指先は細かい作業が出来ない。ボタンがはめられない。靴の紐を結べない、物を良く落とす、小銭を財布からだせない、スマホを上手く使えない、など。

・口や唇のただれ→経験していない。
・体重増加→経験していない。むしろ減少。
疲労→ひどい。いまもって階段を登れない。少し歩くと息切れがする。運動をした後は寝込む。50代後半だが、70代の感覚。
筋肉痛→徐々にひどくなった。このごろは、極度の疲労と筋肉痛が一緒にやって来て、一日二日寝込み、痛みで泣き喚きたくなる程に辛くて痛い。徐々に収まるが。
・肺炎→経験していない。

・アレルギー反応→経験していない。
・手足の腫れ及び痛み→痺れてはいるが、痛くはない。

がんサポートには書かれていないが、大変困った副作用としては、
爪が薄くなる、欠ける、剥がれる(冷却法で緩和された)
目や鼻や顔の脂分が固まる。目や顔ににきびが出来る、目脂で目が開かなくなる、目が目脂で炎症を起こす
味覚障害
・鼻の鼻腔の毛も抜けるため、鼻が炎症を起こしやすい、常に鼻水が出て止まらない
・咽喉の粘膜が再生されないため、咽喉が炎症を起こしやすい、咽喉が痛い
重い耳鳴り、難聴
指紋がなくなり、ものを落としやすくなる。

耳鳴りは初めての経験で、最初はびっくりした。今は慣れたが、当初は寝られなかった。


ご近所マンションの提供緑地に咲く、アガパンサス。ちょっとスカスカしている。


膝の青痣(内出血)









2012年7月12日木曜日

初診、治療開始から1年11ヶ月

なんだかんだで、初診、生検、治療開始から1年11ヶ月がたった。

文句ばっかり言っているけれど、初診ですぐに前立腺癌と見抜いてくれ、あっという間に治療を開始してくれた今の主治医には感謝している。あそこであの人に出会わなければ、どうなっていただろうか。病院に行ったきっかけは、ひどい腰痛で、整形外科ではヘルニアと診断されたし、確かに、きつい痛みは今もあるので、もしあの日に泌尿器科にも回らなければ、前立腺癌の発見と治療開始が大幅に遅れた可能性が高い。

久留米大は遠かったが、申し込んですぐに治療を受けることができ、費用と時間はとってもかかっているけれど、一応の効果もあった。化学療法、ドセタキセルは中々効いてくれずPSAは大幅に上昇してしまったものの、大腿骨以外への転移が無かったのは、ペプチドワクチンの効果なのだろうか。

もし8月から、某大学病院でアビラテロンの治験に参加できれば、その後の余命はともかくとして、精神的にはとっても良いことなので、とても有り難い。

病気と薬の効果には全く恵まれていないけれど、医者と治療に関しては、比較的恵まれてきたように思う。

当初は、どうして僕だけこんな目に会うのだろうか、と思ったし、ストレスが原因のひとつでもあるので、周囲を恨んだけれど、今では、ま、運命か、と諦めの気持ちになった。恨んでも、後悔しても、泣いても、愚痴をこぼしても、病気が良くなるものでもなし、治療に悪影響があるばかりで、何も良いことはない。ストレス・フリーで、笑って楽しく治療生活を送るのが一番と思う。

後悔があるとすれば、ホルモン療法のうちに、海外旅行をしておきたかった。今では体力的に絶対に無理。スポーツは散々やったので、あまり後悔はない。久留米にももっと早期に行くべきだった。

自宅療養をしているので、本を沢山読めるかと思ったが、具合が悪い時に本は読めなかった。勉強も無理。寝ているばかり。TVのお笑い番組か、教育TVあたりが適当。歩けないため、展覧会などは厳しい。行くと、ぐったりしてしまう。80代でなく、50代の体力が欲しい。

体が動かなくなったため、今まで興味があまりなかった体を使う古典芸能(能のこと)に興味が出てきた。身体に障害があると、できないものに興味が湧いてくるのだろうか。


熊本電鉄は、東急玉川線の緑の芋虫みたいな車両を今も使っていて、社内には東急百貨店の広告。熊本なので、東急はないんだが。。



2012年7月10日火曜日

冷却法の効果:爪の剥がれは改善

ドセタキセルは、長く使っていると、骨髄抑制と同じ効果で、つまり癌細胞を殺すだけでなく、どんどん成長する正常細胞も殺してしまう結果、粘膜や、毛や、爪を作る細胞までもが死んでしまうためか、副作用で爪が剥がれてくる。

爪が剥がれると、大変生活に影響する(こればっかりはなってみないとその不便さはわかりませんでした)ので、どうしていたら良いかと思っていたところ、アメリカには、ドセタキセルの投与中に、手足頭を冷やすがん患者向けのキットがあることを知り、アマゾンで買ってみた。しかし、使い勝手は悪かった。30分程度しか冷えない(投与には1時間はかかる)、重く持ち運びが大変である(歩くのが困難なことがあるので、重いものを持って病院に行くのは辛い)、値段が高い(手、足、頭の三点セットで300ドル)、販売店は何故か日本へは送ってくれない。

現在では、このキットに加えて、100円ショップで買った台所用ミトン、毛の靴下、毛の帽子等に、保冷剤を入れたものを使っている。効果は徐々に出つつあるけれど、期待したほどではなかった。しかし爪の剥がれは止まったので、一応効果はあったのだろうと思う。髪の毛は残念ながら生えてこないので、効果はなかったのかもしれない。指先の痺れはまだ残っている状態。